今日はコンデンスリッチ豊胸。そしてコンデンスリッチフェイス(他院吸引後修正)でした。手術は問題なく終わっていますお疲れ様でした。
今日はコンデンスリッチ豊胸の基礎についてお話ししたいと思います。
まず、コンデンスリッチファットの医学的な部分について。
コンデンスリッチファットを作る目的は、”不純物を排除して、単位体積当たりの脂肪幹細胞を増やす”ことです。
実際にはウェイトフィルター(下写真)
を用い、加重遠心分離により、定着に不利な不純物を排除して、単位体積当たりの脂肪幹細胞を増やします。
加重遠心の意味は、ただ単に遠心分離して比重の違う赤血球、水分(麻酔液)、オイルを分離するだけではありません。定着に不利な細胞、例えば、脂肪吸引時に細胞膜の一部が傷つき、注入中(または直後に)すぐに破損してしまうだろう細胞や、老化細胞(一般的に直径の大きいものほど、老化が進んでいると考えられている)を除去することです。
下が加重遠心分離した状態です。(文献:大橋昌敬, 山川雅之.LiPOMAX-SCを用い遠心分離した自家脂肪を用いる豊胸術 日美外会誌 2011; 第47巻:111-118 より引用)
図のAdipose(+ADSC)portion=脂肪(+脂肪幹細胞)部分だけを注入します。
こうやって、脂肪が定着しやすい状況を作って脂肪注入するのが、コンデンスリッチ豊胸です。
ただ、単に良い脂肪を注入すれば定着するわけではありません。注入技術はさらに大切なポイントです。
この注入技術に関してはまた次回お話しします。
今日も手術なさった方、そして手術に関わってくれたスタッフに感謝です。
文献
1) 大橋昌敬, 山川雅之.LiPOMAX-SCを用い遠心分離した自家脂肪を用いる豊胸術 日美外会誌 2011; 第47巻:111-118
2)市田正成. スキル美容外科手術アトラスⅡ、脂肪吸引・脂肪注入術. 東京:文光堂, 2005: 194-210