今日私は休診日でしたが、自宅で来月札幌で行われるオンコプラッスティック学会・・・例:乳がん術後の乳房再建・・・の発表のスライド準備をやっています。
乳癌が初期の場合、以前は部分切除+放射線療法という方法が一般的でしたが、最近では、(比較的広範囲の)部分切除の場合、乳房の変形を伴いことが多いので、患側の全摘と同時にエキスパンダーと呼ばれる仮の人工乳腺を挿入しておき、後に乳房インプラント(シリコンバッグ)に変える、二期再建を行う事が増えてきています。
当院では、以前からバッグ取り出しと同時の脂肪注入技術を行っており、ノウハウを持っていましたので、乳癌術後の乳房インプラント(シリコンバッグ)挿入後の不具合の調整、さらには、二期再建の際にエキスパンダー抜去と同時の脂肪注入の可能性などを摸索していました。
さて、今日は、その学会用スライドの一部を紹介します。
バッグが大胸筋下(元の乳房の形によりますが、最近の豊胸のためのバッグはここに入ってる方が多いです。乳癌術後のエキスパンダーは、一般的にこの層に挿入されています。)の場合の注入可能部位です。
注入にあたって最も大切なことは、バッグを取り出したスペース内に脂肪が流れ込まないようにする事。そして出来るだけ細かく、万遍なく、丁寧に注入する事が大切になってきます。
下のスライドは、その注入可能な層を示したものです。
そして術後のエコー像です。とても良い状態で定着しているのが分かります。
私が診療の日は、お陰様で予約でいっぱいですので、診療にエネルギーを集中するようにしています。休みの日にこういったデスクワークをするのが私の日課です。
ただ、こういった仕事を、生きがいとしてできる事に感謝しています。
また明日は仕事です。出来るだけ早く寝て、明日の診療に備えたいと思います。