今日はバッグ(乳房インプラント)抜去と同時のコンデンスリッチ豊胸、そしてベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)の手術でした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。
さて、今日も行ったバッグ取出しと同時のコンデンスリッチ豊胸ですが、術後の胸のサイズ変化に関して当院のデータを含め、本日はお話しします。(次回9月に福岡で開催されるオンコプラスティック学会の題材の一つです)
このデータは、2009年12月から2013年3月の間に当院でコンデンスリッチ豊胸を行った904症例のうち、同時に乳房インプラント摘出を行った165症例を対象としました。
バッグの摘出は術前のエコー検査で位置を確認後、腋窩からの抜去を第一選択としました。また、脂肪採取はボディデザインの目的も兼ね、ベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)を用いて採取しました。脂肪は加重遠心分離しCRF(コンデンスリッチファット)を抽出し、乳腺実質内を避け、皮下・被膜上・被膜下(インプラントが乳腺下の場合)に分散し万遍なく注入しています。
バストサイズの変化は、術前と術後(3~6ヶ月)のトップバストとアンダーバスト(cm)を計測し、その差を求めました。
摘出インプラントの平均は右206cc、左203ccで、CRF(コンデンスリッチファット)の平均注入量は右が216cc、左212ccでした。
全症例で重篤な合併症は無く、部分的な脂肪壊死は6例(6/165=3.6%)と少なく、2012年以降(95例)の脂肪壊死症例はありませんでした。(脂肪壊死などの合併症は年々減少し、今ではほぼ考えにくいという事です)
バストサイズの変化はバッグ(インプラント)抜去と同時の手術にもかかわらず、平均1.8cmの減少(JIS規格で1サイズダウン以下)にとどまっていました。
結論として、現在挿入されている乳房インプラントに対し満足度が低い方にとって、乳房インプラント摘出と同時に行う脂肪注入(コンデンスリッチ豊胸)は、自然で柔らかな乳房が、それもサイズがほとんど変わらず実現できるため、有用な方法であると考えられました。
こういったデータ集めは、症例数が多くないと信憑性も低いですが、当院の様な脂肪吸引や脂肪注入を専門で行っていると、症例数も増え、結果も安定してきますので、正確な数字が出てきます。
今後もより良い治療のために、最高の治療法を模索する中でこういったデータも収集しながら、多少なりとも医学の貢献に繋がればと願っています。
今日も手術なさって下さった方、そして手術に携わってくれたスタッフ、そしてデータ収集に携わってくれたスタッフに感謝です。