ベイザー脂肪吸引の開発に関して

今日はベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)そしてマイクロCRFの施術でした。手術は問題無く終わっています。お疲れ様でした。

ベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)の方は背中と腰~ウエストにかけてを吸引しました。ベイザーリポが開発され、技術が安定するまでは、背中の様な硬い組織の部位は吸引が難しかったのですが、今ではベイザーリポ、そして最近ではパワーXといった新しい機器の登場でより安全に、多くの脂肪が、理想的に吸引できるようになりました。

なお、現在提出中の医学論文の校正等(VASERに関して)で、ブログの更新遅れました。(楽しみにしていただいている方がいらっしゃれば)申し訳ありません。

さて、今日は軽くベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)の歴史に触れたいと思います。

従来の超音波を使わない脂肪吸引に比べ、初期の超音波脂肪吸引は脂肪細胞を破砕し乳化させることで、吸引を容易にし、より侵襲性の低い脂肪吸引を可能としました。

しかし、初期の超音波はその温熱効果で、長時間の使用や脂肪浅層に対して使用(superficial liposuction)することで、火傷や皮膚壊死などのリスクを高めていたのは事実です。それを改善すべく、超音波の周波数やプローベ(吸引管)の開発がなされましたが、納得いく結果は得られませんでした。

そこで、断続性モード(pulsed mode)を利用したのが、第3世代の超音波機器=ベイザーの最大の進化です。このベイザーは2002年にJewellらがその優れた臨床応用を初めて発表しました。

その後、ベイザーを使った脂肪吸引=ベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)の報告は今までに数多く出ていますが、Garcia とNathanが2008年にベイザーリポが超音波なしの脂肪吸引と比較し、著明な出血量の減少の報告や、NagyとVanekらがは2011年に発表したベイザーによる皮膚の収縮力が従来法より53%も高くなることを立証している論文が有名です。

当院は日本にベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)が上陸した2009年に導入、2010年より本格的にベイザーリポをメジャーな手術として開始以来、すでに3,000例を越しました。(お陰様で日本一の症例数です。)

その結果として、今まで重篤な合併症は無く、マイナーな合併症もほとんど認めません。

 

ただ、いくらこの進化したベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)を使っても、知識や十分なテクニックを持っていないと、残念ながらトラブルも多いようです。(最近は他院で受けられた方からのこういった相談も増えてます)

今後も症例を重ね、脂肪注入の素材としての合併症等の評価を明らかにする事で、より安全な脂肪吸引、そしてボディデザインを行いたいと考えています。

今日も手術をなさって下さった方、そして手術に携わってくださったスタッフに感謝です。

 

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