バッグ抜去の最大の原因:カプセル拘縮のリスク

今日はバッグ取出しと同時のコンデンスリッチ豊胸、そして胸のベイザーリポ(ベイザー脂肪吸引)、3Dセルリフト+マイクロCRF(顔の脂肪注入)の手術でした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。

さて今日は最新の医学文献から、乳房インプラント(バッグ)抜去の最大の原因である、カプセル拘縮(バッグが硬く盛り上がる症状)のリスクファクター(危険因子)に関して紹介します。

形成外科、美容外科の医学学会専門誌のなかで、世界的に最もメジャーなPRS(Plastic & Reconstructive Surgery)の最新の文献(2013年11月)からです。

Risk Factor Analysis for Capusular Constracture: A 5-Year Sientra Study Analysis Using Round,Smooth, and Textured Implants for Breast Augmentation

直訳は:カプセル拘縮の危険因子解析:ラウンド型、スムース(つるつるタイプ)そしてテクスチャード(ざらざらタイプ)乳房インプラントによる豊胸手術、5年間の分析 となります。

この報告は、われわれ美容外科医にとって、とても興味深い、そして最も知りたい話題の一つの回答を示してくれています。

内容は、5019バッグ(2560人)の初回手術の5年目のカプセル拘縮のリスクファクターを計算(統計)しています。十分な母数(人数)と期間だと考えます。

結果は、全症例の7.6%にカプセル拘縮が起こっている事。リスクファクターはスムースタイプ(つるつるタイプ)、乳輪下切開挿入、乳腺下挿入、抗生剤やステロイドによる洗浄、強いマッサージの推奨で、マルチバリエイト解析すると、バッグの位置、バッグの表面の性状(つるつる又はざらざら)、挿入アプローチ、血腫や漿液腫、バッグのサイズとの事です。

結論として、大胸筋下の手術、そしてざらざらタイプのバッグの挿入がカプセル拘縮の予防に有効であった、といったものです。

われわれ美容外科医としては、ほぼ当たり前の様に感じていることですが、このくらい大規模の解析を行われての結果がそうであると、安心しました。

(なお、実際私たちがバッグを挿入する場合は、手術をお受けになる方の体型や乳房の形等、いろんな条件を考えベストのバッグや位置を選びます)

こういった医学的、そして統計学的にしっかりした論文の結果は信頼に値し、私たちの意思決定の方向性を決めてくれます。ありがたいです。

今日も、手術をお受けになった方、そして手術に携わってくれたスタッフに感謝です。

 

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