今日は国際美容医療研究会で、僭越ながら講演をさせていただきました。
内容は「再生医療を考える − 脂肪注入の今」
という課題で、私は
①CRF注入(コンデンスリッチファット注入)、及びバッグ取出しと同時のCRF注入に関してのコンセプト・原理、実際の手技、「コツ」、そして臨床成績
②3Dセルリフト(自己脂肪を用いた若返り)のコンセプト、実際の手技、及び臨床成績
といった内容を話しました。
会長は当山先生、座長は市田先生(美容外科の教科書をたくさん書いた有名な先生)でした。・・・お招きいただき、本当にありがとうございました。
会の中では色々な質問を受けましたし、ディスカッションもありましたが、最終的な同意は
①胸の脂肪注入は細注入器具で出来るだけ細かく、細いヌードル状に注入したほうが良い。
②脂肪注入はコンデンスリッチファット(CRF)・・・脂肪幹細胞の凝縮やCAL(脂肪幹細胞の添加)等、脂肪幹細胞数が十分な状態で注入した方が有利
③注入し過ぎ(特に胸)は良くない。日本人の場合、(もちろん体型によりますが)片胸250ccが平均、現状の胸の状態によってはマックスが200cc程度の場合もあり、方胸300ccを超すことはまず無い。(入れ過ぎは脂肪壊死:しこりにつながる)
④中顔面(頬の高さ)に対する脂肪注入は非常に有効で、推奨される。(もちろん、脂肪の良い素材や上手な手技は必須)
といった内容でした。
とても印象に残ったのは、市田先生の
〝私も教科書を書いた人間ですが、〝茶こしを使ってた時代”・・・確かに昔々の教科書に書いてあります・・・から、今の時代は明らかに変わっています。脂肪幹細胞の概念が確立され、注入脂肪の質は明らかに向上しました。ただ、今も正しい意見として変わりない事は、細かく入れるという概念で、間違っていなかった。”
とおっしゃったことです。最近、市田先生は、注入脂肪をより良い脂肪にするために、昔、茶こしを使っていた時代の事をお話しなさいます。以前、自分が示してきたことを、今、完全に否定して、新しい事に取組まれる姿は、私には勇敢な戦士に見えました。
ご出席なさったドクターの皆様、そして当山先生、市田先生、一緒に講演をいただいた鎌倉先生、酒井先生お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
もちろん、(今日は私自身は手術は行っていませんが)当院で手術をなさって下さった方、そして手術に関わってくれたスタッフ、そして今日の講演のため手伝ってくれたスタッフに感謝です。