今日の手術は破損したバッグの取出しと同時のコンデンスリッチ豊胸、そしてベイザーリポでした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。
本日は破損バッグ取出しと同時のCRF豊胸のモニター様の紹介です。
まずは術前の写真です。右胸のバッグはカプセル拘縮で上方に変位(硬いです)し、左胸のバッグは術前のエコーで破損していました。幸い、シリコンは被膜内に留まっており、炎症は起きていません。
そして破れたバッグの術前エコーです。通常、バッグの中は均一な黒色なはずですが、破損でグラディエーションの様に見えます。また、白い線は破損バッグの断面です。
術中の片側だけバッグを取り出した画像です。取り出した側は平坦よりも凹んで、えぐれた感じです。
そして、破れたバッグも完全に取出し、綺麗に洗浄し、同時に自分の脂肪を注入しました。
下が当日術後約1時間半、着替えて頂く直前です。(術直後なので腫れと、内出血が痛々しいですが綺麗に治ります)
そして取り出したバッグです。
術前の診断通り、左は破損、ベトベトのシリコンが被膜内に流れ出していました。もちろん完全に取り去って綺麗に洗浄しています。
ご本人は、体内からシリコンが除去された事。そして自分の脂肪で柔らかくて自然であること、そして大きさも十分だと満足なさっていらっしゃいました。(今から多少小さくなりますが、それでも挿入されていたバッグが150cc、注入脂肪が200ccなので、腫れが引き、その後多少吸収されても最終的に術前と同じくらいだと予想します。)
当院では年間100例程度のバッグ取出しと同時の脂肪注入の手術を行います。
決して簡単ではない(きちんとした手術を行わないと、しこりや脂肪壊死、感染などかなりトラブルになる確率が高い)手術ですが、正確な術前のエコー診断、バッグ取出しの技術、注入をおこなえば、決して危ない手術ではなく、満足度の高い手術となります。
手術のポイントは、いかにバッグにアプローチし皮膜を切開するか(術前エコーが必須)、そして、狭い傷口から大きなバッグを取出せるか(破らないこと。もちろん既に破れている場合は、内容物が他の場所に漏れ出さない様に注意が必要)、さらに、できるだけ細かく、各層(皮下、乳腺下、大胸筋内)にいかに分散して注入するか、という事が大切です。数字で言うと、直径2ミリ以下の脂肪でなければ生き残りません。また、注入量も組織の圧、皮膚の伸び、血流などすべてを加味してベストの量を注入する必要があります。多く入れ過ぎは壊死、しこりの原因となります。
詳しく知りたい方は、下記ブログも参照してみてください。
手術のポイントは言い出したらきりがありませんが、まずはきちんとした診断、バッグ取出しの技術、そして注入技術が必要です。
今日も手術をなさって下さった方、手術に関わってくれたスタッフに感謝です。