今日は他院のしこり除去、そしてVASER脂肪吸引の手術でした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。
今回のブログの内容は脂肪注入の基礎知識に関してお話します。今までブログでも伝えてますが、脂肪注入に関しての医学的基礎知識を紹介します。
先日の学会で発表したスライド。動画がありますので、それらと共に説明しますね。
脂肪注入(豊胸も、顔の若返り手術も)という手術は、近年日本でも多く行われていますが、残念ながら、(医師でも)正しく理解されていない部分があります。
脂肪吸引した脂肪を用いての脂肪注入する場合、血管を付けて移植(脂肪の移動)をするわけではありませんので、脂肪は注入した組織の血流によって生き残り、定着します。
よって、医学的に(科学的に)無理な量をたくさん注入すると、多く定着するわけでなく、逆に定着が悪くなり、しこり、脂肪壊死(つまり、大きくならない)の原因となります。
それを分かりやすく説明した(最近の)論文を引用したスライド、図が以下です。
簡単に説明すると、脂肪を入れすぎると、組の内圧が高くなり、脂肪に栄養が行きわたらなくなって、生き残らないという事です。
よって脂肪注入の最大のポイントは
6月26日のブログ内容『しこりを作らない脂肪注入豊胸:注入技術が最も重要』のように
1,脂肪はかたまりでなく、細く、長く注入すること。(直径2.4ミリ以下が原則。直径2ミリ以下が理想)
そして、今回のブログ内容
2.入れすぎてしこりを作らない。
が原則となります。かたまりで注入したり、多く入れすぎたりすれば、定着しない(ボリュームアップしない)だけでなく、しこりの原因になるだけだという事です。
本来、あまりしたくない手術ではありますが、他院脂肪注入後のしこり除去の動画も紹介します。
多く注入すれば、胸が大きくなるわけなく、ただ残念な結果が待っているという事実は、皆さんにぜひ知っていただきたかったので、今回のブログを書いた次第です。
次回はこういったしこりを作らずに、自然で、かつ定着する秘策を紹介する予定です。楽しみにしていて下さい。
今日も手術なさって下さった方々、手術に関わってくれたスタッフに感謝です。
※脂肪注入豊胸の定着に関しては コラム「脂肪注入豊胸の定着率に関するQ&A」でも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。