しこりは、脂肪注入豊胸でよくある失敗の代表格。
今回は、高度石灰化を伴ったしこり除去(切除希望)手術をご紹介します。
脂肪注入豊胸後のしこりに悩む、モニターゲスト
今日ご紹介するモニターゲストは35歳女性。約5年前に他院で脂肪注入豊胸をお受けになっています。術後しばらくしてシコリに気づいたものの、いつか柔らかくなると信じて放置していたとのこと。
今では胸を触るたびに痛みを感じるようになってしまったのだそうで、たまりかねて当院のしこり外来にいらっしゃいました。
術前のバストの写真がこちらです。
外からも大きなしこりによる変形が分かりますね。
脂肪注入豊胸によって生じたしこり。その正体は?
実際に取り出したしこりです。石灰化は乳輪の半月状の部位のみで生じており、しこり自体は完全な形で取り出せています。壊死した脂肪が流れ出ていなかった点は、不幸中の幸いです。
石灰化したしこりは卵の殻みたいで、押すとパリパリと割れる音がします。
実際に割ると壊死した脂肪が一杯詰まっていました。
脂肪注入豊胸後のしこりは「潰さない」が鉄則
かなり衝撃的な写真でしたが、施術をご検討中の皆様の参考になればと思い、掲載しました。
しこりは強くぶつけたり、マンモグラフィー検査で圧迫されたり、手で押し潰したりすると、内容物(つまり壊死した脂肪)がばらまかれ、さらに大きなしこりになる場合が多いです。時に他院では、しこりの治療と称してあえて潰すこともあるようなのですが、そうしたことはどうか避けてください。このモニターの方も、今までしこりがつぶれなくて本当に良かったと思います。
脂肪注入豊胸後のしこりは放置せず、早目の対処を
ご本人はしこりが無い柔らかな胸にホッとして、術後には笑顔が見られました。
今回はしこりの除去方法をご紹介しましたが、そもそもしこりは作らないことが一番です。
しこりを作らない脂肪注入については
私のブログ(2016-06-26や2016-11-30)
またはコラム「脂肪注入豊胸の定着率に関するQ&A」
もご参考になさって下さい(わかりやすくまとまっていると思います)。
また、今現在、脂肪注入豊胸後にできたしこりでお悩みのは、ひどくなる前に、是非当院のしこり外来にお越しください。
今日も手術なさって下さった方々、手術に関わってくれたスタッフに感謝です。