今日はBRAVA×コンデンスリッチ豊胸そして、VASER脂肪吸引の手術でした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。
さて、本日の話題は、豊胸を希望する方が興味を示すことが多い、“脂肪注入と乳がんのリスクの関係はどうなの?”という話題です。
今までも2010年、G. Rigottiが10年、脂肪注入による再建1000例の症例で、乳癌の再発との影響がないと発表など、有名な論文がありましたが、今回は最新の論文の紹介です。
Steven J. Kronowitzらが2016年(今年)PRS(形成外科雑誌としては最も信頼がおける)に掲載した論文
“Lipofilling of the Breast Dose Not Increase the Risk of Recurrence of Breast Cancer: A Matched Controlled Study”
です。直訳すると”脂肪注入で乳がんの再発リスクは上がらない:マッチドコントロールスタディ”となります。
この医学雑誌は、エビデンスレベルといって、どのくらいこの論文の信頼性があるかを示す項目があります。上記の論文はリスクレベル2という(5段階で5が最も悪い:つまり2はかなりの信頼性がある)高い信頼性がある論文です。
彼らは局所再発、全身再発、別の乳がん全てにおいてリスクは上がらない。脂肪注入は腫瘍学的に安全と結論付けています。
私たち、脂肪注入を頻繁に行う者にとっては、嬉しい論文です。
上記グラフは乳がん手術後脂肪注入した群と、乳がん手術後脂肪注入無しの群、そして癌でない乳房に脂肪注入した群を比較した長期フォローアップのグラフですが、これらの群に有意差は無いという事を示しています。
こういった大規模のコントロールスタディーでリスクが上がらないという事実が判明すると、私たちも安心して手術に臨めます。こういった論文の紹介もも次の学会やセミナーでの話題にしていきたいと思っています。
今日も手術をなさって下さった方、手術に関わってくれたスタッフに感謝です。