今日はバッグ取出しと同時のコンデンスリッチ豊胸、そして、通常のコンデンスリッチ豊胸の手術でした。手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。
日本の20年前は豊胸といえばバッグが主流でした。理由は脂肪注入という技術が確立しておらず、頻繁に脂肪壊死を含むトラブルが起きていたからです。
しかしその代償として、今その頃のバッグが破損、カプセル拘縮、偏移(ずれ)等をおこし、バッグを取らざるを得ない状況になっていることも事実です。
下のスライドは、2008年:時代的には米国ASPS(米国形成外科学会)が脂肪注入を(事実上)解禁する前後の私の豊胸手術の割合です。
以前は私もバッグ(乳房インプラント)による豊胸がほとんどでした。
しかし、脂肪注入の権威であるコールマン先生が、顔への脂肪注入に関して安全性と効果の持続性を証明した論文の発表以降、バッグによる豊胸の限界(破損、カプセル拘縮の事実や触感)を感じていた事もあり、脂肪注入に傾きました。・・・スライドにも記していますが、コールマン先生以外にも吉村先生(元東京大学、現自治医科大教授)の論文や、コーリ先生、デルベキオ先生、その他多数の先生方の脂肪注入による豊胸の素晴らしい論文の影響は大きいです。
今では、日本人の国民性(考え方)に沿って、ほとんどが脂肪注入(やバッグ取出しと同時の脂肪注入)に変わっているのが分かります。
もちろん、脂肪が少ない方(ほとんどの場合、どこからかかき集め・・・それも脂肪採取/吸引がメリットとなる方法で行います)には、バッグ(インプラント)やごくごく稀にヒアルロン酸(硬く、吸収もされます)も用います。決して、無意味とは考えませんし、医学的にも必須な豊胸の方法だと考えます。
ただし、当院にいらっしゃる方のほとんどは、自然なバストを望んでご来院なさるものですから、結果的に、上記のような配分になっています。
そして、今後(未来:もしくは今始まった)の豊胸では、採取した脂肪を保存しておく事にも、重きを置かれる様になるでしょう。
脂肪吸引は自分の努力では不可能なラインを変えたり、要らない脂肪を除去するのには近道で適した方法なのは分りきった事実ですが、多少のストレスを感じる方も多いでしょう。そのストレスを最小限にするのが脂肪の保存、つまりFAT BANKだと考えます。(以下のスライド)
採取脂肪を、長期的に生きた状態で(それも採取した年齢のままの状態で)保存するシステムです。(明日はその保存脂肪を注入する手術も予定に入っています)
何だか未来が見えてきました気がします。
今日も手術をなさって下さった方、そして、手術に関わってくれたスタッフに感謝です。