今日はバッグ抜去同時の脂肪注入による豊胸、そしてベイザーリポの手術でした。
昨日のセミナーでもお話しした事ですが、バッグの取出しにはかなりコツが必要です。
最も大切なのは①バッグ取出しの際に周りを大きく剥離しないこと。
理由はスペースを新たに作って、そこに脂肪が流入する可能性があります。
②皮膜とバッグの癒着を十分に剥離した後にバッグを抜去する事。
理由はバッグとの癒着があればバッグ摘出の際、一部皮膜が破れ(付いてきて、せっかくカプセルが流れ込みの防止をしていたのに(シェルターの役割)それを広範囲で破けば脂肪がカプセルのスペース内に流入し易くなります。つまり、しこりの可能性が出て来るという事です。
では同時でなかったらどうでしょう?
5年前ならまだそういった考えもあったでしょうが、今私の場合、ほとんどの場合同時に脂肪注入を行います。その、最大の理由は、そのスペースは塞がるかどうかが分からないという事。つまり、次回注入するときはブラインド(盲目的)での手術になるため、もし、スペース内に入っても処置できないことになります。(同時の場合は、万が一入った場合洗い流します)
これに関しては、是非下記ブログも参照下さい。
今日のモニター様の写真を紹介します。
術前です。ポッコリとしたバッグが入っているのがわかります。触るとボールのように硬いです。
術中です。
向かって右(左胸)のバッグ抜去が終わったところです。
長期間バッグで圧排されていたため組織が薄くなっていますので、取り出すと”えぐれた”感じになります。大胸筋は上に圧排されて見えます。
両側バッグ抜去したところです。
術直後です。CRF豊胸を行い自然な胸になっています。
なお、注入脂肪は、胸のように限られたスペースに注入する場合、
単位体積当たり脂肪細胞数が他の方法(たとえばピュアグラフト等)より確実に高い、
CRF(コンデンスリッチファット)を用いることが大切になってきます。またこれに関しては今後のブログでお話しします。
今日も手術を受けてくださった方、そして手術に携わってくれたスタッフに感謝です。