今日はCRFフェイス(3Dセルリフト)+マイクロCRF 、そしてCRF豊胸の手術でした。
手術は問題なく終わっています。お疲れ様でした。
さて、今日はカウンセリングにいらした方から、
「先日他院でCRFは良くないと聞いた、ピュアグラフトのほうが良いと書いてある。
他院のホームページにもいいと載っている」といった話を伺いました。
情報過多の時代で誤解を招くといけませんので、
今日はCRFって何?という根本的なお話をしようと思います。
CRFは不要な水分、血液、オイルを排除して、単位体積あたりに良い脂肪と良い成分、つまり健康な脂肪や、 脂肪幹細胞(ADSC)、そして細胞外マトリックスと呼ばれる脂肪を育てる環境(コラーゲン・成長因子などを含む)をギュッと詰め込んだものになります。
簡単な例をあげましょう。
胸の場合は実験室での実験と違い、顔とも違い、限られたスペースに注入しなければなりません。
片方の胸にに200mlの脂肪を注入するとします。また、その量がその胸にとって最適の量だと仮定します。・・・今現在の医学の常識として、注入し過ぎて胸の内圧が高くなり過ぎれば、その脂肪は死滅して定着率が急激に低下する事が分かっています。つまり、それ以上は注入してはいけないのです。
このようなことから、この片側200ml(限られた体積)にどのくらい良い細胞(脂肪細胞や脂肪幹細胞)+良い要素(細胞外マトリックスなど)が含まれているか、否かが大切な事か分かると思います。
ピュアグラフトは余分な脂肪や赤血球といった細胞を取り除く事ができる素晴らしい器材です。ただ、コンデンス)されていない為に、不要な水分が多く含まれており、単位体積あたりの良い細胞、そして良い成分が、今までの普通の脂肪注入よりは優れているがコンデンスリッチファットよりは劣ると考えます。
なお、あるサイトでは、CRFは脂肪細胞が壊れているから悪いと記載してありますが、実はCRFは、弱い細胞を”わざと”壊し、健全な脂肪細胞、脂肪幹細胞、そして大切な成分を凝縮しているのです。よって、顕微鏡で見れば、通常又はピュアグラフトの様な水で薄まった細胞を見るより、壊れた細胞が多いかのごとく錯覚が起きます。
また、東京大学がPRS(形成外科、美容外科では世界の中で最も権威のある医学誌)に掲載した医学論文では4,200 g(グラムではなく圧力) といった高圧でも脂肪細胞の形態学的形状は保たれている。そして、1,200 gが体積当たりの健全な脂肪幹細胞が最も多いと結論付けられています。
▼コンデンスリッチファット
ちなみにプイアグラフトは真ん中の画像の上のオイルまた、下の液体成分の赤血球のみ分離。液体成分はいっぱい残っており、単位体積当たりの良い脂肪数、幹細胞数が少なくなります。
◆参考文献
Influences of Centrifugation on Cells and Tissues in Liposuction Aspirates: Optimized centrifugation for Lipotransfer and Cell Isolation. Plast. Reconstr. Surg. 121:1033 2008 ,Kurita M, Matsumoto D, Shigeura T. Yoshimura K. et .al
さらに、今年(2014年9月)マイアミで開かれた最新の美容医療学会でも同様の発表がなされてます。
もちろんこういった研究はいろんな意見があって当たり前ですし、たくさん議論され、最終的により良いものが選択されるものだと思います。
当院では、CRF豊胸のみならず、通常の脂肪注入、脂肪幹細胞注入(CAL)、そしてピュアグラフト脂肪注入も可能です。
ただ、単に、現状、CRFが最も日本人に適していると考えられるため、単純にCRF豊胸を選んでいます。
少し、熱くなってしまいましたね。ゴメンナサイ。
ただ、患者様のためでなく、自分の組織の”利益”を追求するだけの為に「ゆがんだ」情報を流すのは残念に思います。
今日も手術をなさって下さった方、そして手術に携わってくれたスタッフに感謝です。