2019年7月19〜21日に上海国際コンベンションセンターで第6回中国脂肪学学会・第4回国際形成外科サミットが開催されます。
今日は19日、大会第一日目でした。
一日目は形成外科の世界的権威であるGino Rigotti教授と2人のみで、脂肪注入の技術講義、特に豊胸の注入に関しての講義をしました。正直Rigotti教授と2日のみというのは恐縮で緊張しました。
私の講義内容は
“Principle and Method of Breast Augmentation,For your Natural Breast.New option:cryopreserved fat and cultured cryopreserved ASCs”
日本語訳:豊胸の原理と方法:自然な胸のために:脂肪注入による豊胸、特に培養脂肪幹細胞添加に関して。
▽講義中の写真
▽講義を受けてくれたたくさんの先生方と一緒に。
▽講演会場にあった私のプロフィール!(笑)
講義内容:
豊胸は①シリコンバッグ豊胸、②異物注入(ヒアルロン酸やアクアフィリング)、そして③脂肪注入がある。①バッグは大きさはキープできるが、その自然さの乏しさ、硬さ、冷たさ、そして最近はBIA-ALCL(乳房インプラント関連悪性リンパ腫:今年、米国、フランスでは今まで最も頻繁に挿入されていたテキスチャード(表面ざらざら)タイプのシリコンバッグ使用禁止(製造会社は自主回収))も問題視されている、異物の注射は感染や移動により問題が多い。そもそも米国では胸に大量のヒアルロン酸を注入することは禁止されているし、HAは思ったより固く、しこりになる可能性も多い。アクアフィリングにおいては勝手に移動して感染することから日本や韓国の形成外科、美容外科学会共に使用を控えるように(禁止)指示されている。③残るは脂肪注入であるが、正直の術者の手術スキルによる結果が大きく異なる。下手な注入を行えば大きなしこりを作るし、脂肪が壊死して感染することさえある。ただし、医学的な知識をもって、清潔な環境で丁寧な注入を行えば一番自然な豊胸術が可能である。
脂肪注入は脂肪吸引が基本であり、丁寧なデザインを行い、正確に吸引採取する。脂肪注入は直径2.4ミリ以下の麺(ヌードル)状で注入しなければ中心は壊死してしこりになるか吸収されて無くなってしまう。私の場合、直径2ミリ以下のヌードル状になるように(1㏄=50センチ)細く長く注入する。
アジア人の場合、乳房の皮膚の伸展が悪いタイプの女性が多く、皮膚拡張器(旧ブラバ、現ビブラ)を用いることが望ましい。また、最近では脂肪幹細胞が脂肪の定着に大きく寄与していることが医学的に判明した。よって当院では少量の脂肪から脂肪幹細胞を培養、増殖させ、豊胸の際に添加するセルチャー豊胸をオプションとして行っており、痩せた患者にも良好な結果を得ている。
これらに関して実際の症例写真、術中の動画を見せながら解説しました。
▽取材の様子
▽リゴッティ教授(イタリア)と共に
今日は久々に数時間英語でのレクチャーでしたし、リゴッティ教授と一緒という緊張もあり多少疲れましたが、学びに来てくれたドクターの熱心さに後押しされ、楽しく充実した一日でした。
そして夜は明日、明後日の国際学会の講師陣が集まり、上海の夜景を見ながら船上ウェルカムパーティでした。
▽吉村浩太郎教授と共に
▽コーエン教授(米国)、ルビン教授(米国)と共に
今日も一日ありがとうございました。皆様に感謝です。